恒例の毎月二回歌舞伎座。昼の部。印度よりも義経千本桜とか定番モノを...とかド素人がホザいてたけど4.5時間の『泡沫の夢』が終わってみると舞台がうっすら涙で霞んでいた。感想↓
結局、印度だろうがマハーバーラタだろうが、歌舞伎役者が演れば歌舞伎になる、とド素人ながらの気づき。ユリシュラ、ビーマ、アルジュラ他の五人兄弟は白波五人男風に登場。森の中でビーマが魔物と恋に落ちる様を描く所作事。七之助は「ハジけた(イヤホンガイド氏談)」悪女を演じつついつもの佇まい。印度風であろうともどこまで行っても歌舞伎の様式美が結句舞台を支配し歌舞伎座の空気を作ってしまう。
今回のポジションは二階、東桟敷の五番なので桟敷の真ん中辺り。気持ちもう少し引いた方が見やすいかも?(六番、七番位)本作は東桟敷側に仮設花道が設けられていて流石に仮設の方は観づらいが本設の花道はバッチリで舞台も両袖観える。一階桟敷が取れなければこっちでも良さそうだ。
ただ一階桟敷と違って二席で区切られてはおらずフルオープン状態、スペースも気持ち狭い感じ?肝心の舞台は菊五郎・菊之助は勿論、菊之助=カルナの宿敵アルジュラ=尾上松也の凛々しさも際立つ「音羽屋祭り」だった訳だがカルナ・アルジュラ兄弟の母=汲手姫を親子で演じた中村時蔵・梅枝も素敵(梅枝の所作事振り付けは菊之助プロデュースだそうな)。命の儚さを輪廻で口説き、人間の営みを優しく見守る神々。人類はどこかで繋がっている...まで行ってしまう壮大さが凝縮された舞台。もう一つ。今回印象に残ったのは「音」。いつもの和楽器に加えシロフォン・鉄琴?が異国情緒とスピード感をプラスしているが...やっぱりどこまで行っても統一感・歌舞伎感は消えないのだ(しつこいようだが)。
前回からイヤホンガイド↓は「くまどりんカード」なるプリペイドカードを使って借りる事にした。一台600円で松竹歌舞伎会カード提示より安い・1000円デポジット不要でとっても便利。鑑賞必須アイテム。筋書も熟読しといたので舞台に没入できたな〜。夜の部も楽しみ...