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團菊祭五月大歌舞伎 十二世市川團十郎五年祭(昼の部)

本日も歌舞伎にドップリ。團菊祭、昼の部、海老蔵丈五役!楽しみ。成田山から不動明王も出張。感想↓
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演目は通し狂言『雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)』に時蔵丈の短い所作事『女伊達』。『雷神』は歌舞伎十八番の『毛抜』『鳴神』『不動』が織り込まれたもので二月に見物した『暫』以来の十八番。海老蔵丈が五役で登場、皇位簒奪を企む早雲王子→御年百歳越えの老体ながら超好色な陰陽博士・安倍清行→天皇擁護の小野家危機を名裁きで救う粂寺弾正→女の色香に迷い破戒に及ぶ高僧・鳴神上人→不動明王の変幻自在。この演目も当然筋書予習したが読んだ印象は「はあ?」何がオモロいの?....例えば中段の見せ場『毛抜』は小野家息女の錦の前が業病に悩まされているが、その業病が「髪の毛が勝手に逆立ってしまう」。病の原因を探る弾正=海老蔵は自らが使う毛抜きが独りでに動き出すのを観察、天井裏に隠れる忍びの者が使う強力磁石により毛抜きが動き、錦の前が髪に挿す櫛(鉄製)も同様に磁石の力で動いたのだと断じ槍で忍びの者を突き刺し、糸を引く小野家家老(早雲王子の配下)をその場で斬り捨てる。正に!牽強付会の極みでこうして文字にしてもちっとも面白くないのだがこれを海老蔵丈が舞台で演じると"The Art"、連続する見得がピタピタとハマって決まって観るものをあっという間に陶酔の境地に誘う。悪人をやり込める見事な弁舌と相待って幕切れと共に『暫』と同じカタルシスが訪れるが、観終わって、「で....何の話だったんだっけ?」と記憶喪失に陥るのも『暫』と同じかな笑。合理性を超越した歌舞伎の様式美と言うかただひたすら格好良く気持ちがいい。上演を重ねる演目にはそれなりの理由があることに得心がいく。続く『鳴神』は絶世の美女・雲の絶間姫(くものたえまひめ)の色香に酔って破戒僧となる鳴神上人。観ていて昨年九月に見物した破戒僧もの『再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)』を思い出した。歌舞伎ネタでは結構多いのかな?破戒もの。『再桜』の幸四郎丈に匹敵する行ってはいけない道なのに行ってしまう高僧の海老蔵ジレンマ演技。五役を堪能した三時間はあっという間に過ぎドライアイスの煙と共に不動明王が消えた後は放心暫し。時蔵丈には失礼ながら最後の演目は現実に戻ってくるリハビリ時間?だった。またも江戸にタイムスリップした半日。
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by hatcho_bori | 2018-05-21 21:04 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
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