原作本三回読了。映画の尺(長尺とは言え)に収まるかなと心配してましたが杞憂でした。圧巻の人間ドラマ。
歌舞伎は世襲かと問われればその通りと答えざるを得ないが、歌舞伎は同時に徹底した商業主義、ビジネスでもある。
事故で休演する半次郎(渡辺謙)が御曹司・俊介(横浜流星)でなく部屋子の喜久雄(吉沢亮)を代役に選んだのはビジネスをとった設定だけど少し歌舞伎を知ってる人が見たらそりゃおかしいわ、となる。が、そこに実子眞秀を菊之助には出来なかった寺嶋しのぶが俊介母として登場し、「そりゃおかしいわ」と来るので歌舞伎ファンもあれ?、どっちなんだっけとなって一気に話に引き込まれる絶妙のキャスティング。
俊ぼんが半弥で帰ってきた後の老成した二人も良かったな。文字通り命がけの曾根崎心中。3時間息つく暇なしのエンタテインメント。歌舞伎オタクでなくても是非。