獄中告発する死刑囚役のピエール瀧もなかなかの迫力だがやはり首謀者「先生」を演じるリリー・フランキーの存在感に圧倒される。
原作は映画化困難という程複雑怪奇なストーリーではないと思うが、それでもあのある種独特の重苦しい絶望感を2時間に凝縮・ダレ感なく纏めた手際の良さに感心。死刑囚と「先生」の稀に見る凶悪ぶりが光るのに比して、追いかけるジャーナリスト役、山田孝之は今回ばかりは線の細さが目立ってこれだけのスクープをモノにしたリアリティーが希薄に感じられたのと、原作に無い家庭ドラマ的な脚色がウザかったこと以外は総じて満足。