今シーズンのシネマ歌舞伎、ラスト作品は「かごつるべ」。来年度は5月から翌1月まで、と言うことらしいのだが、すると3月・4月はシネカブはお休みなのか?それは寂しい...。ともあれ本日の一本は良かった。感想↓
田舎豪商の次郎左衛門=勘三郎が、吉原の花魁・八ツ橋=玉三郎に一目惚れ。通い詰めて身請けの話まで行き着いたのに突然三行半、しかも馴染みの店で宴の最中に切り出され、完膚無きまでの大恥をかかされる。『籠釣瓶』と言うのは「よく切れる刀」の意で、タイトルに伏線がある訳だがそこはさておき序幕の八ツ橋との出会いの呆けっぷりから涙と鼻水でグシャグシャになる(下男役の現勘九郎然り)振られ方まで、勘三郎のお兄さんが舞台を支配。ラストの狂気畳み掛けまで息もつかせぬ展開。分かりやすい世話狂言でイヤホンガイドが欲しくならない展開と言うこともあるがこれまで観たシネマ歌舞伎の中では阿弖流為に続く面白さ。吉原の雰囲気や花魁の華やかさと相俟って非常に「歌舞伎らしい」一本。初心者でも楽しめるかと。
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