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六月大歌舞伎(昼の部)

中一週間で昼の部見物。本日は初めて歌舞伎座の株主優待を使った。感想・独断偏見評価等↓
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歌舞伎座(松竹も然り)の優待はネット予約→当日のみチケット引取機でチケット取得の流れで券には株主の名前も入る。転売防止の為なんだろう。今回は一等・二階西桟敷。いつもは東桟敷なので違う景色。10:45着。

<妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) 三笠山御殿> 11:00-12:53

六月、昼の部は音羽屋一色。最初の演目は時代物。大化の改新を素材にして蘇我入鹿の横暴を阻止しようとする藤原鎌足一派の奮闘を描く。

幕が開くと蘇我入鹿(坂東楽善)が「公家悪」(白塗りに青の隈取り)の体で息子二人を従える。非常に分かりやすい歌舞伎の敵役演出。

そこへ鎌足の使者、漁師鱶七(尾上松緑)登場、入鹿と渡り合う。一応、用向きは「和睦の為」だが入鹿は信用せず。鱶七の真の意図は入鹿が盗み取った三種の神器のひとつ、十握の宝剣を奪い返すこと。「〜に身をやつし」「実は〜」は歌舞伎得意のパターン。

後半は入鹿の妹・橘姫(坂東新悟)が夜の逢瀬から朝帰り、姫を追ってきた求女(尾上松也。もとめと読むが烏帽子職人にこちらも身をやつした藤原淡海=鎌足の息子で当然男性)も現れる。更に、求女と夫婦の約束を交わしていたお三輪(中村時蔵)が求女を追って登場、舞台は一気に三角関係鞘当てモードへ。

お三輪はいわゆる一途で可憐な田舎娘の設定(江戸風で歌舞伎は時代考証はありません)で、求女に会いたい一心のお三輪を入鹿に使える官女軍団が弄って苛める場面が延々と続くが個人的には長く感じたかな〜...歌舞伎見物でまだ船を漕いだことは無いがもうちょっと慣れてくるとあるのかも?!

とは言え流石時蔵丈、娘の可憐さから、求女と橘姫の婚礼話を聞かされて嫉妬・大噴火激昂=疑着の相を顕す後半は観ている方も覚醒。

で、最後再び登場の鱶七は「実は」金輪五郎=鎌足家来となっており、何とお三輪を刀でグサリ。はい、その理由は、
1)子に恵まれぬ蘇我蝦夷は、白い牡鹿の生血を妻に与えたところ入鹿が生まれた、
2)それ故に鹿の血と疑着の相(上記の通り嫉妬に狂った女)の女の生血を混ぜて鱶七が持っている笛に注いで吹く、
3)するとアラ不思議、入鹿は鹿の性質を顕し、その音色に感じて正体を失う、
4)その隙に乗じて宝剣を奪い返す、

・・・・と言うことで、鱶七=金輪五郎から、「死んでもそなたは愛する求女の役に立つのだよ」と聞き、喜んで死んでいくところで幕。何も悪いことをしていないのにとかは置いといて、な如何にも歌舞伎なラストだった。官女のお三輪苛めが長くて間延びた以外はまあまあの狂言。

分かりやすさ・・・★3
歌舞伎らしさ・・・★3
総合・・・★3

<文屋(ぶんや)> 幕間30分の後、13:23-13:47

濃いめの時代物と昼食の後なので軽妙な舞踊で繋ぐ。余談だけど幕間30分でしっかり食事しちゃうと睡魔が襲いかかってくるので私はビスケットとか軽くつまむ位にしている。しっかりした食事は終わってから。

六歌仙の一人、文屋康秀(尾上菊之助)が宮中の歌合に小野小町を追って(探して)登場したのを官女軍団が遮って絡む。この官女軍団、前の狂言・妹背山の使い回し。

女形じゃなく立役で固めていて、妹背山同様艶やか系でなくどちらかと言うとお笑い系。菊之助丈の軽妙・滑稽な動きと相俟ってコミカルな舞台と言う感じかな。

個人的には流しちゃったが菊之助丈の動きは目福。

分かりやすさ・・・★3
歌舞伎らしさ・・・★3
総合・・・★3

<酔菩提悟道野晒 野晒悟助(のざらしごすけ)> 幕間15分の後、14:02-15:52

本日一番楽しみにしていた河竹黙阿弥作の世話狂言。やっぱり個人的には黙阿弥の世話狂言が一番好きかな...。

舞台は大阪だけど出てくる人は皆江戸弁というのがミソ。徒党を組んで狼藉を働く提婆組に絡まれた美女二人=大店の娘と貧しい町娘を、侠客・悟助(尾上菊五郎)が別々の場面で救ってあげたらその格好良さに二人が一目惚れて、二人が同時に悟助宅に押掛女房。

大店娘(米吉)と貧乏町娘(児太郎)の一目惚れぶりが何とも愛らしいが惚れられる侠客・悟助は二十代前半の設定。実年齢マイナス半世紀とか野暮なことを言ってはいけないのだが、妹背山の町娘役・時蔵丈然りで役者の演技で時空も年齢も超えてしまうところが歌舞伎の醍醐味だとつくづく思う。

復讐に来た提婆組棟梁に辱められた汚名を雪ぐ為のラスト大立ち回りは流石に息切れ感を感じなくもないのだけれど、そこはそれ、黙阿弥台本の七五調台詞が何とも気持ち良い至高の人間国宝芸。惚れられた大店娘の下女から女房持ちかと問われ「女房どころか頭の上の蝿も追えねえような男さ(文字にすると多分ちょっと違う)」とシレッと流す様は確かに惚れるのも無理は無しと。

理屈抜きに楽しい世話狂言で昼夜通して見物客には一番ウケていたかな。先週見物した夜の部に続き、強きを挫き弱きを援く侠客ってカッコいいねとまたもや江戸時代の庶民感情とシンクロしてしまったひととき。

分かりやすさ・・・★5
歌舞伎らしさ・・・★4
総合・・・★5

↓納涼歌舞伎は三年連続で東海道中膝栗毛演ります。三部制なので三回来るか、二日にするか思案中。
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by hatcho_bori | 2018-06-17 07:33 | 演劇株主優待 | Trackback | Comments(0)
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