七月大歌舞伎(夜の部)

今月はエビ様の月でチケットはソールドアウト。こう言う月は大口株主でないと優待の配分は無いんだろうねと言うことで今月は昼夜共に実費見物。感想↓
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<通し狂言 源氏物語> 16:30-17:50 幕間30分 18:20-19:10 幕間25分 19:35-20:05

いつもは演目はバラバラのお話・踊りで構成されるんだけど、今回は昼夜共に「通し狂言」=一つのお話。

夜の部は個人的には苦手?な源氏物語。恥ずかしながら、読んだこともなければ筋立ても全く知らないので事前の筋書熟読で源氏の君をとりまく人物関係までは把握して臨んだ。

歌舞伎演目としての源氏物語は実は結構新しく、戦前は天皇を題材としている関係で上演できず、初演は戦後だそう。

....私同様、ご存知ない方の為に筋立てを書くと、光の君=源氏の君(光源氏)は桐壺帝の第二子。腹違いの第一子(後の朱雀帝)を取り巻く右大臣一門は源氏の君を敵視。

そんな中、桐壺帝は光の君に源氏姓を賜る=臣籍降下で即ち源氏の君は皇籍を離れていたんだね。。その降下を以って源氏の君は父帝から見放されたと感じ、心に大きな闇を抱えるようになる。

その心の闇を抱きつつ、帝第三夫人と子を成し、朱雀帝に入内内定の「六の君」とも情を交わし、都一の貴婦人とも深い仲になり、一方で妻として迎えた葵の上とは当初は心通わずながらやがて想いが通じ男子出産となかなかの恋愛模様。これも心の闇がなせる技かと。

で、今回のメイン趣向「歌舞伎・能・オペラの融合」で源氏の君の心情を歌い上げるのがオペラコンビのアンソニー・ロス・コスタンツォ(カウンターテナー)とザッカリー・ワイルダー(テノール)。

帝役や怨霊生霊系の「この世ならざるもの」をお能の方々がお面かぶって演じる。

オペラ、最初はちょっと出てくる位かなと想像してたがほぼ10分?間隔の登場頻度。ぱっと見(聞)は新鮮だったが...イヤホンガイド曰く「心の闇を歌い上げるカウンターテナー」なのだが...歌舞伎見物一年生の私が言うのも何だが...「合ってたかな??」と。

歌舞伎は確かに時代考証や舞台設定の辻褄は適当なところがあって平安時代なのに登場人物は江戸風だったり、舞台は上方なのに江戸弁だったりはあるんだけど、オペラはな〜。

加えて源氏物語分かってないからか、源氏の君、この境遇で「心の闇」って言われてもナアとか。恋は多くとも享楽的な風も無く、要は歌舞伎に出てくるキャラクターとしては異常な迄に「薄味」なんだなこれが。

「陰」がカウンターテナーで「明」の方を歌い上げるのはテノールのザッカリー・ワイルダーなのだけど全然「陽」の部分無いじゃないかと思ってしまった...要は話が面白くないのですわ。

それもこれも私の源氏物語無理解から来るものかもしれないがいずれにせよ歌舞伎とオペラの食い合わせも個人的には「融合」してなくて消化不良かな。

お能の方も歌舞伎と一緒の舞台で観られるのはそれはそれはレアな機会と言うことは理解できるものの、お面被ってこちらも動きも無いしなんて身も蓋もないことを考えてしまった。。。お能は削ぎ落とされた動きによる抽象的かつ精神性の強いもの、華美で具体的で、現世を謳歌する貪欲さに満ちた歌舞伎とは対極に位置するんだってよ。

この「融合」に金がかかってるせいか?エビ様カンカン親子で黙ってても満員になると言う松竹の読みによるものか?他の歌舞伎役者はこの人誰?な方々が多かったのも事実。

エビ様のあまりの美しさに舌を巻き、龍神変身の部ではそれなりに高揚はしたものの総合満足度はやや低め。「あさきゆめみし」の熱心な読者だったらしい奥さん曰く私が行きたかったって。

横に座っている男性が上演中、ずーっとハナ啜りあげてるのが非常に気になったのと相俟って個人的にはあまり満たされぬ夜だったけどこれも歌舞伎。色々あります。ただ次回は「華美で具体的で現世を謳歌する」歌舞伎を見物したいナア。

分かりやすさ・・・★3
歌舞伎らしさ・・・★2
総合・・・★2(ちょっと辛めです)
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by hatcho_bori | 2018-07-15 16:37 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
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