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芸術祭十月大歌舞伎(昼の部)

先週に引き続き昼の部。いつもの?東桟敷に戻ってきた。花道・舞台との距離感はやっぱりこっちがいいなあ。東桟敷は優待の設定が無い(と思われる)ので、自腹見物限定になりそうだけど、今後は。

優待と言えば明日は松竹の2Q決算発表。1Q発表時は株価急落したけど今回はどうなるか。続き↓
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<三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)> 11:00-11:27

三人吉三は有名な狂言だけど今回は三人の盗賊、お嬢吉三(七之助)、お坊吉三(巳之助)、和尚吉三(獅童)が名乗りを上げて義兄弟の契りを交わすまで。

長い狂言の「一部」しか上演しないのは歌舞伎のセオリーだけどこの短さはちょっと消化不良。河竹黙阿弥の七五調名調子をもっと聞いていたかったかな。

三本目の佐倉義民伝が長いんでこう言う時間配分なんだろうけどちょっと食い足りない感じですよ。今回の公演は七之助丈が本当に大活躍。女盗賊かっこいい!

総合評価・・・★3

<大江山酒呑童子(おおえやましゅてんどうじ)> 11:47-12:44

お次は松羽目物、舞踊。山に棲む大酒飲みの酒呑童子が悪さをするので退治に来た侍たちとの死闘を描く。

松羽目物=お能がベース。今回は勘九郎丈=前シテ・後シテで主人公のキャラがガラリと変わる。童子から鬼へ。

酒好きの酒呑童子に鬼を弱らせる不思議な酒を呑ませて討ち取ろうとする。そうとは知らずガブガブ呑んで興に乗って舞出す酒呑童子。

酒に酔って舞う松葉目狂言と言うと真っ先に浮かぶのは去年シネマ歌舞伎で観た『棒しばり』。勘三郎丈の舞を口開けてポカーンと見ていた記憶。

今回の勘九郎=酒呑童子の大酔舞も見モノ。勘三郎丈だったらどう舞ったのか。父の当たり役を舞う息子を見ていると少々目頭も熱くなってきたところで鬼変化。

退治チーム・四天王との間合いも良く起伏に富んだ見応えある舞踊狂言。

総合評価・・・★4
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<佐倉義民伝> 1:19-2:53

農民が主役と言う歌舞伎では珍しいパターン。領主の圧政・過酷な年貢取り立てに苦しむ百姓たちの行く末を案じて遂には徳川家綱への上訴に及ぶ。当時、上訴は大罪で一族にも累が及んだことから、家族を守るため離縁してから上訴に望もうとした木内宗吾(松本白鸚)。

大活躍の七之助丈、今度は宗吾の女房役で、「私も貴方と一緒に死にたい」と。

降りしきる雪の中、今生の別れを惜しむ家族の場面が....長い。長すぎる。白鸚丈も良いのだが、こう言うのも勘三郎さんだったらどうだったのかしらんと思っちゃう追善興行。少なくも今回の舞台・この長いシーンにはときめかず。(HO丈、お百姓さん役があんまり合ってないような...なんて言ったら怒られるか)

二幕目、東叡山、紅葉が盛りの直訴の場は打って変わって視界が開け、宗吾の思いを粋に汲んだ家綱の老中・伊豆守と家綱=勘九郎が絵面に決まって終わりよければ全て良し?

総合評価・・・★2.5

来月の歌舞伎日程は歌舞伎座レギュラー公演に加えて、平成中村座もあるんで結構ハード?な見物日程。まだまだ興味は尽きない。
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by hatcho_bori | 2018-10-14 09:45 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
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