今月5公演目。海老蔵丈の舞台はますます席確保が難しくなる予感。今回、昼の部は奥さんと行く予定だったので桟敷でとりたく平日で。狂言はどっちも見物二回目だけど良かったナア。「蓄積」されて来た感じ。続き↓
<義経千本桜 鳥居前>
鳥居前は
昨年の浅草歌舞伎で見物している。今回は忠信=獅童が楽しみ。初音ミクとバーチャル共演した
今昔饗宴千本桜をBlu-rayで何度も鑑賞してたので生獅童・生忠信が見られて嬉しい。
忠信=狐、初音の鼓が忠信の両親狐の皮で出来ていて...とかの蘊蓄は押さえといた方が無難ではあると思うけど、花道から登場する忠信の火焔隈・ザ歌舞伎なかっこよさをただ楽しむだけでも宜しいかと。
忠信以外の役者。義経→(去年)中村種之助(25)、(今年)大谷友右衛門(69)。随分と年食ったねえ、じゃなくて。まあ歌舞伎だからいいんだけど義経はもうちょい若い役者の方が良いんでないかな?
静御前→(去年)中村梅丸、(今年)大谷廣松。廣松君は父子共演だけど典型的な赤姫、静御前は梅丸君の可愛らしい感じが良かった。
早見藤太→忠信に踏み潰されて目が飛び出し息絶えるコミカルな敵役。案外重要な役どころ。(去年)坂東巳之助、(今年)澤村國矢(紀伊国屋。知らんかった)。これも去年に軍配。脇役的には去年の方が良かったがやはり獅童の存在感。
<極付幡随長兵衛>
この演目は
一昨年の九月秀山祭で見物。二回目の生歌舞伎で訳も分からず見物してた頃だけど、この演目は河竹黙阿弥の七五調ラップ台詞、吉右衛門=侠客・長兵衛の粋・人情、敵役・染五郎(当時)=旗本奴・十郎左衛門の品格ある憎らしさ?に一撃でやられてしまった。
芝居小屋で狼藉をはたらいた家来を観客の面前で(丁寧に)注意して場を収めた長兵衛に顔を潰されたと恨んで長兵衛を自分の屋敷に招き、風呂場に誘い込んで刺し殺してしまうと言うなかなかに歌舞伎らしい滅茶な筋立てなんだけど、(花道でなく)客席を通って登場する海老蔵=長兵衛のいなせなこと・粋なこと。
團十郎襲名を発表した直後だったこともあるけれど、もうオーラは「團十郎」。こちらの十郎左衛門は左團次(78)で前回より一気に年食っちゃったがそこは海老蔵親分の團十郎な男気で相殺。
十郎左衛門の誘いを受けた長兵衛は死を覚悟し早桶(棺桶)の準備までさせるが邸に向かう時に息子=長松=堀越勸玄がすがりつくシーンは泣きどころ。女性比率高い場内はすっかりお母さん気分で満たされる。こりゃ親子二代襲名はエライことになりそうだ...
分かり易く台詞建がかっこいい黙阿弥狂言は初心者にもおすすめ。
<三升曲輪傘売>
13分の舞踊、と言うことでこれだけ未見の演目なれど殆ど期待してなかったが何と舞踊+傘出しマジック。実は石川五右衛門=海老蔵が魅せる手品ショー。どっから何本出てくるの?な大量傘攻撃。
見た目も華やか、キリの舞踊にはピッタリ。バランス良い構成の昼の部、奥さんも満足で良かった良かった。次は浅草歌舞伎昼の部で正月歌舞伎は〆。