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六月大歌舞伎(夜の部・三谷かぶき)

今月夜の部は三谷幸喜作・演出の「三谷かぶき」でいつもの六月よりは人気ある模様。こういう演目は一回限りの文字通り一期一会だからということもあるのかな。今回は優待でなくチケット購入したけどWeb松竹に上手く繋がらず思った席取れず...。

原作は長く連載されている「風雲児たち」。全然知らなかったけど、今回舞台化されるエピソードは江戸時代、嵐で遭難・漂流してアリューシャン列島の孤島に漂着した船乗り達がロシアの大地を彷徨い、遂には女帝エカテリーナと帰国交渉直談判と言う奇想天外にも思える実話。

主人公の大黒屋光太夫を松本幸四郎が勤めるなど高麗屋を中心に猿之助・愛之助などを配した座組でGO。続き↓
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幕開き前、もう波間が見えていて期待が高まる。と言うか開幕4:30前にもう幕は開いて舞台全体を見せた状態で始まる異例の演出。花道からは「前説」の尾上松也がスーツに眼鏡の教授風で登場、いつもと違う歌舞伎感いっぱい。松也、やっぱり喋りも上手くて出てきた瞬間に歌舞伎座全体をガッチリ・観客イヂリもありで、会場を一気に江戸時代の海上へ誘う。

漂流→漂着→放浪の分かりやすいストーリーで当然現代語劇なので(習慣で借りちゃったけど)イヤホンガイド不要。

これって歌舞伎なの、な展開なんだけど情感溢れる場面で義太夫三味線入ると、あー歌舞伎だなって。ロシア大陸横断、犬ぞり大部隊の躍動、遂に叶うエカテリーナ謁見の場の荘厳とかも歌舞伎ぽくなさそうでよく見ると歌舞伎だったりして。

歌舞伎座で歌舞伎役者が演じればどんな舞台でも歌舞伎になるとか言う話でもないんだろうけど、歌舞伎はフェスとは良く言ったもので楽しければいいの。

最初は十七人居たクルーが一人欠け二人欠けの辛く悲しく長い旅路も希望を捨てない光太夫の明るさに引っ張られてあっという間にラストまで。歌舞伎座でスタンディングオベーション、初めて見た。

マイ歌舞伎初年度2017年に見物して大感動したマハーバーラタ戦記も良かったけどこういうカブき方も良いね。
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by hatcho_bori | 2019-06-12 06:34 | 歌舞伎 | Trackback | Comments(0)
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